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5・2 線区輸送サービスの進展

新しい昼間特急サービスの数本規模の増加は、バンコク寄りの通勤輸送に配慮を要するが、当面のところ上記のごとくダイヤ構成に大きな問題はない。

しかし、北線輸送の全体をいま一段安定したものとし、また広く柔軟な対応力を持つことが、時間短縮サービスの効果発揮のため望ましい。またこれは単に昼間特急のためばかりでなく、線区全体の輸送サービスレベルを順次向上してゆくためにも、効果が大きい。

(1)運行管理の充実

列車運行の乱れとなる事故のうち、その大宗を占める機関車故障と踏切事故については今後予定の機関車の置換え、工場の移転改良、踏切PR対策、軌道強化等により、相当の低減を図ることが期待される。

これと併せて、発生した乱れが早期適切に収束され、最小限の影響に止めるよう、運行管理の充実が望ましい。列車の運行状況を広くつかみ、先手で有効な列車変更手配ができるよう、列車監視盤ないしCTCの逐次の整備が有効と考えられる。

(2)段階的な時間短縮

昼間特急の新しいサービスを有効に発揮してゆくため、次のようなことを考慮し、段階的に時間短縮を実施することが求められる。

これも単に高速走行に対処するばかりでなく、北線全体の輸送業務について、内容を向上する方向で進めてゆく。また鉄道の役割について、広く社会が認識を持ってもらう機会となるよう配慮する。

(a)高速走行の物理的な安定の確保

(b)一高速化や関連する各種の輸送業務の変更、習熟

(c)高速走行に対する沿線通行者、生活者等の適応

(d)新しい時間短縮サービスの利用に関し、PRとニーズヘの適合化

(3)線区輸送サービスの向上

複線化や軌道強化による輸送力の整備は、国の基幹輸送のため、種々の広い役割を果たすべく進められている。

これらの輸送力を活かして、線区ごとの実状に適合する施策を検討し、全国的にも調和のとれた、線区輸送サービスを順次提供してゆく必要がある。

 

 

 

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